大航海時代は経済的利潤を追求する西欧列強による世界征服の始まりであり、アジア諸国に対しては植民地支配の端緒(たんしょ)となったことを、先回お話ししました。それでは、その後の西欧列強によるアジア侵略はどのように推移したのでしょうか。
ポルトガルとスペインを中心とする新航路開拓や新大陸発見は、やがて経済的利潤を追求する世界征服へと発展し、さらに奴隷貿易による利潤の拡大はその後もますます盛んになります。スペインは南米大陸を支配し、アステカ帝国とインカ帝国を滅亡させると、原住民を奴隷として本国に移送し、巨万の富を獲得しました。また、ポルトガルはアフリカ大陸西岸に進出していましたが、奴隷貿易が巨大な利益につながることに気づき、アフリカ大陸の黒人奴隷を買い漁(あさ)り、ヨーロッパに輸出して甚大な利益を生み出しました。