日本を新生復活させるための提言として、今回はトランプ大統領が2017年5月13日にリバティ大学*)の卒業式で演説された内容の一部をご紹介したいと思います。この演説の内容は、今の日本国民にとっても傾聴に値する大切なメッセージであると思います。では、その演説文の一部をご紹介します。
人生を歩む中で、物事は必ずしも公正でないことを気づくでしょう。濡れ衣(ぎぬ)を着せられたり、いわれのない扱いを受けることもあるでしょう。それでも、歯を食いしばって戦い続けなければならない。戦え、戦え、戦え。決して、決して、決して諦めてはいけない。屈せず、引き下がらず、自分の正しいと思うことを決してやめてはいけない。この世界で行う価値があることは、すべてそれが正しいことであれば、多くの試練と苦難に遭うものです。
皆さんの心には、奉仕、犠牲、献身の価値が刻まれています。これから皆さんは世界に出て行き、希望と夢を行動に移さなければならない。
米国は永遠に夢を実現する国です。なぜなら、米国は真の信仰を持つ人々が住む国だからです。メイフラワー号の人々は最初にこの土地に足を踏み入れた時、その場で神に祈りを捧げました。建国の父たちが独立宣言を書いた時、彼らは「創造主」という言葉を4回引用しました。なぜなら、米国は政府ではなく、神を崇拝するからです。だからこそ、私たちの紙幣には誇らしく「我々は神を信じる(IN GOD WE TRUST)」と書かれているのです。だからこそ、私たちは誇りをもって「我が国は神の下で一つになった王国である」と宣言しているのです。
米国の物語は深い信仰と大きな夢を持った慎ましい身分の人々から始まった冒険物語です。人生には辞めたいと思う瞬間もあるでしょうが、決して辞めてはならない。自分が信じるもの、自分を大切にしてくれる人々のために、戦うことをやめてはいけない。尊厳と誇りをもって自分を貫いてください。最善を尽くすことを自分に課して下さい。「不可能だ」、「できるわけがない」と言われれば言われるほど、それが間違っていることを証明しようと心に誓うべきです。
除(の)け者になるのを楽しんでください。腐敗した集団から「あなたは間違っている」と言われれば言われるほど、あなたは自分を信じるべきだし、前に進むべきなのです。人々が信仰を行動に移せば、米国はより良くなります。神に祈り、神の教えに従いましょう。今日から皆さん一人ひとりの新しい章が始まります。皆さんの物語がこれからどのように展開するかは、皆さんのビジョン、忍耐、根気によって決まります。皮肉屋や疑い深い人から何を言われようとも、夢を追いかける勇気を持ち、未来を築くのです。
心に抱いている希望を人に語れる自信を持ち、自らの魂を揺さぶる愛を表現するのです。自分の信念を誇りに思い、それに応える勇気を持ち、神への信仰がある限り、失敗することはありません。そして、米国が自国の価値を重んじ、市民に忠実であり、創造主に献身的である限り、この国の最良の日は間もなくやって来るでしょう。
神があなたを祝福していることを知ってもらいたい。ただ一言、「あなたはすべてにおいて特別な存在だ」と伝えたい。皆さんに神の祝福があり、米国に神の祝福がありますように。
ここにご紹介した演説文は、リバティ大学の卒業生に向けられたものですが、この演説文の内容をよくよく読んでみると、このメッセージが単に卒業生にだけ語られたものではなく、全世界の人々に対して送られた希望のメッセージであるように思えるのです。そして、それは同時に私たち日本人に対するメッセージでもあると思います。
戦後80年を迎えて、今こそ日本の、そして、日本国民の新しい章が始められなければならないのです。そのためには、勇気と誇りと尊厳をもって、いかなる試練や迫害にも立ち向かい、決して諦めることなく、そして、決して立ち止まることなく、正しいことを勇敢に行い、信じるもののために戦い続け、心に抱く希望を語り、魂を揺さぶる愛を表現しながら、ひたむきに歩むしかないのです。
今から7年以上前に語られた演説文ではありますが、今日の混迷する世界にとって希望の光となるような、力強く、そして心に響く美しい言葉ではないでしょうか。一つ一つの言葉に生命が躍動し、それぞれの言葉に魂が燃やされる、このような生きた言葉を語ることができる人こそ、真の為政者であると思います。
「米国」という言葉を「日本」に置き換え、米国の「建国」にまつわる物語を日本の「肇国」の物語に重ね合わせて精読してみれば、私たち日本人の心にも深く共鳴するものがあるのではないでしょうか。日本人の眠った魂を揺さぶり、目覚めさせてくれる素晴らしい演説であると思います。残念ながら、今の日本の政治家の中にはこのような言葉を語ることのできる人は一人もいません。
もしかしたら、神はトランプ大統領の口を通して、私たちに大切なメッセージを届けているのかもしれません。是非とも、このメッセージに込められた真意を読み取って下さることを願います。そして、日本を新生復活させるために、私たちは何をすべきなのか、勇気と希望をもってその第一歩を踏み出すための力が与えられることを願っています。
義のために迫害されてきた人たちは、
さいわいである、
天国は彼らのものである。
わたしのために人々があなたがたをののしり、また迫害し、あなたがたに対し偽って様々の悪口を言う時には、あなたがたは、さいわいである。喜び、よろこべ、天においてあなたがたの受ける報いは大きい。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである。 (マタイによる福音書 5章 10-12節)
*)リバティ大学:
バージニア州リンチバーグにあるキリスト教福音大学で、1971年にジェリー・ファルエル牧師(1933-2007)らによって「リンチバーグ・バプテスト・カレッジ」として創設された。ファルエル師が初代学長に就任し、1985年に現名称に改名された。全米で最も保守的な大学とされている。