日本は日清戦争の勝利によって中華思想に基づくアジアの国際秩序である「冊封体制」を崩壊に導くことができました。1895年4月17日、日清両国の間で締結された「日清講和条約」(下関条約)は、朝鮮国の独立を承認し、ここに清国と朝鮮との朝貢・冊封関係には終止符が打たれたのです。つまり、日清戦争の後、清国の対外関係は朝貢・冊封という関係ではなく、条約に基づく関係に一元化されることになったのです。それは、中華思想よりも近代国際法が優越するということでもありました。
神の摂理的観点から見れば、中華思想という価値観が崩壊させられ、それに基づく国際秩序である冊封体制が終焉したことは、神の理想的世界秩序を構築するための基盤を造成する第一歩となりました。日本は自国の国益として、朝鮮が清国の支配から解放されて、独立国家となるために日清戦争を戦ったのですが、これは神の摂理から見れば、アジア諸国を束縛していた旧態依然とした華夷秩序を崩壊させるための「義戦」であったことを私たちは忘れてはならないのです。