『日本書紀』によれば、天照大神は皇孫である瓊瓊杵尊(みみぎのみこと)を豊葦原(とよあしはら)の瑞穂国(みずほのくに)に降臨させた、いわゆる「天孫降臨」において、三つの神勅(しんちょく)を授けられました。その一つである「天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅」については、すでに紹介させていただきましたので、今回は二つ目の神勅、「宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅」についてお話ししてみたいと思います。
『日本書紀』には次のように記されています。
「吾(あ)が児(みこ)、此の宝鏡(たからかがみ)を視(み)まさむこと、当(まさ)に吾(あれ)を視るがごとくすべし。与(とも)に床(みゆか)を同くし殿(みあから)を共(ひとつ)にして、斎鏡(いはひのかがみ)となすべし。」