世界万民が心から希求するもの、その一つが「平和」であることは論を俟(ま)たないことだと思います。では、「平和」とはそもそもどのような意味なのでしょうか。「平和」という言葉の基本的な意味は、「戦争」がない状態のことです。この世界に戦争や紛争がなく、平穏無事であることが、まさに「平和」の意味なのです。私たちは何よりも「平和」の意味について知らなければなりません。
私たちにとって大切なものとして、「人権」があります。例えば、私たちが日常生活において、自由に行動することができ、自由に物を売り買いすることができ、自由に自分の思いを語ったり、書き記したりできるのは、これらすべての自由が「人権」として何よりも尊重されているからです。
しかし、実は「人権」が尊重され、その「人権」を行使することで、私たちの生活が自由で豊かなものとなるためには、絶対に欠かすことのできない大前提があるのです。それが、「平和」であるということです。私たちの住む国が「平和」であり、私たちの生活が平穏無事であってこそ、私たちは存分に「人権」を行使することができ、その結果として精神的に、あるいは肉体的に、喜びや幸せを感じることができるのです。
今年の米国大統領選挙において、全く報道されていない大切な争点があります。それが「平和」に関することです。9月10日(米国時間)に行われた大統領候補のテレビ討論会で、「ロシア・ウクライナ戦争」が取り上げられ、偏向報道で知られるABCニュースの司会者が、トランプ前大統領に「あなたはウクライナに勝利してほしいと思っていますか」と尋ねました。それに対するトランプ前大統領の答えは秀逸でした。「戦争」と「平和」の本質を熟知する真の政治家としての模範回答であったと、私は感心させられました。
トランプ前大統領は「ロシア・ウクライナ戦争」について、たいていの場合、以下のような二つの発言を繰り返し、戦争と平和に対する基本的な視点を私たちに与えようとしておられるように思います。
第一に、もし、自分が大統領であったなら、ロシアは決してウクライナを攻めることはなかったであろう、ということです。つまり、トランプ前大統領は、戦争を起こさせない術を知っており、戦争や紛争の起こらない状態、つまり、平和をいかに継続させることができるのか、その方法を知っているということです。
第二に、もし、自分が大統領に返り咲けば、24時間以内に戦争を終わらせることができる、と語られたことです。24時間という期限内に戦争を終結させることができるか否かは別にして、このような発言ができる根拠はどこにあるのでしょうか。私たちはこれをただの思い付きの人気取りの発言と思ってはなりません。なぜなら、トランプ前大統領の発言にはいつも何かしらの深い示唆に富む真意が隠されているからです。ここではっきり言えることは、トランプ前大統領は、今、起きている戦争を終わらせる術を知っており、戦争や紛争を終結させることで、戦争や紛争のない状態、つまり、平和をいかにつくり出すことができるのか、その方法を知っているということです。
少し極端な言い方に聞こえるかもしれませんが、私たちが真に平和を望んでいるのか、それとも、戦争や紛争をそのまま放置しておいても良いと思っているのか、そこが問われているのです。これが米国大統領選挙における隠れた一大争点なのです。
私はこう思います。真に平和を愛する者は、戦争を起こさせない術を知り、また、起きている戦争を終わらせる術を知っているトランプ前大統領を支持するはずです。平和な世界を希求する者ならば、それ以外にいかなる選択肢もないでしょう。しかし、ハリス副大統領を支持する人々は、平和を愛するトランプ前大統領の本心が見えなくなっているのです。それは、偏向したメディア報道が垂れ流す偽りの噂話や醜聞をやみくもに信じ込み、眼を曇らされ、偏見に満ちた目でしかトランプ前大統領を見ることができないからです。
2022年に民主党を離党し、トランプ前大統領の支持者集会で演説をしたトゥルシー・ギャバード元連邦下院議員*)は次のように語っています。
「トランプ前大統領は米国を永遠の戦争から遠ざけているのです。この政権(バイデン政権)は我々を複数の戦線で、複数の戦争に直面させ、かつてないほど核戦争の瀬戸際に追い込んでいるのです。民主党は米国を核戦争の瀬戸際に追い込んでいるのです。これが、私がトランプ前大統領をホワイトハウスに呼び戻すために全力を尽くすと決意している主な理由の一つなのです。」
トランプ前大統領が、米国を永遠の戦争から遠ざけるため命がけで闇の勢力と戦い、戦争屋とも呼ばれる巨悪の策略を阻止するために戦っていることを、いったいどれほどの日本人が分かっているでしょうか。日本のマスメディアはこのような真実を絶対に伝えようとはしません。それは、なぜでしょうか。もしかしたら、何も知らないからなのかもしれませんが、私には日本の言論機関に巣くう暗くて深い闇があるように思えてならないのです。
私は平和を愛する者として、平和をつくり出すための知恵と能力を備えておられるトランプ前大統領が再びホワイトハウスに返り咲くことができるように祈りたいと思います。そして、その一日が訪れることを切に願っています。
平和をつくり出す人たちは、さいわいである。
彼らは神の子と呼ばれるであろう。 (マタイによる福音書 5章 9節)
*)トゥルシー・ギャバード(Tulsi Gabbard):元民主党連邦下院議員
ハワイ州選出の民主党下院議員として2013年から2021年まで奉職し、2020年の大統領選では候補者として民主党予備選挙に出馬する。2022年10月に民主党を離党することを発表し、その際の演説では、「民主党が戦争屋と社会正義のイデオローグによるエリート集団の完全な支配下に陥った」と告発している。
2024年8月26日にはトランプ前大統領の支持者集会に参加し、トランプ前大統領を支持する演説を行った。そのことに対して、ロバート・ケネディ・ジュニア氏はXで次のような投稿をしている。
「私の友人であり、元大統領候補の仲間がトランプ前大統領のチームに加わります。おめでとうございます。力を合わせて戦争を終わらせ、検閲を終わらせ、米国を再び健全にするのが待ちきれません。」