言論機関の使命とは何でしょうか。米国大統領選挙の報道をはじめとして、日本でも報道の信憑性について疑義が投げかけられるようになっています。今日ほど言論機関の使命やその責任が厳しく問われている時はないのではないでしょうか。とりわけても既存の言論機関である新聞やテレビによる多くの報道が偏向しており、時には虚偽が含まれており、明らかに世論を誘導するような内容になっていることは実に憂慮すべきことです。こういう時だからこそ、改めて言論機関の使命について、またその責任について冷静に考察すべきではないでしょうか。
では、言論機関の使命とはどのようなものなのでしょうか。コミュニケーション学の父と称されるウィルバー・シュラム(米国・ジャーナリスト、1907~1987)は、言論機関の機能について次の三つを取り上げています。
一 見張りの機能:社会環境の現状や変化に対して情報を伝え警告を発する。
二 討論の機能:社会環境に関して構成員間の意見を整理し世論を形成させる。
三 教師の機能:価値観や社会的規範、知識などを次世代へと繋いでいく。