2024年10月27日日曜日

第19回:言論機関の使命と責任について

 言論機関の使命とは何でしょうか。米国大統領選挙の報道をはじめとして、日本でも報道の信憑性について疑義が投げかけられるようになっています。今日ほど言論機関の使命やその責任が厳しく問われている時はないのではないでしょうか。とりわけても既存の言論機関である新聞やテレビによる多くの報道が偏向しており、時には虚偽が含まれており、明らかに世論を誘導するような内容になっていることは実に憂慮すべきことです。こういう時だからこそ、改めて言論機関の使命について、またその責任について冷静に考察すべきではないでしょうか。

 では、言論機関の使命とはどのようなものなのでしょうか。コミュニケーション学の父と称されるウィルバー・シュラム(米国・ジャーナリスト、1907~1987)は、言論機関の機能について次の三つを取り上げています。
 一 見張りの機能:社会環境の現状や変化に対して情報を伝え警告を発する。
 二 討論の機能:社会環境に関して構成員間の意見を整理し世論を形成させる。
 三 教師の機能:価値観や社会的規範、知識などを次世代へと繋いでいく。

2024年10月23日水曜日

第18回:「自由」についての無知と思い違い

 私たちの日常生活において最も大切な人権の核心となるものとは何でしょうか。それは「自由」です。米国合衆国憲法修正第一条は「宗教の自由、言論の自由および出版の自由」について定めており、「個人の自由」が最も尊重されるべきものとされています。

 ところで、「自由」の起源とはどのようなものなのでしょうか。自由、及び基本的人権の起源をどのように定義するかということは、自由や基本的人権の性質を決定する上で最も重視されるべきことなのです。

2024年10月20日日曜日

第17回:靖国問題と「反日」日本人

 そもそも「靖国神社参拝問題」とはどのようなものなのでしょうか。これは、日本の首相をはじめ、現役閣僚(特に、外務大臣・防衛大臣)や自民党の幹部(幹事長)が靖国神社に参拝することを問題視するというものです。そして、この靖国神社参拝を問題視しているのは、他でもない中国と韓国の二国しかないということです。さらに言えば、靖国神社参拝に対して大上段に非難し、傲慢無礼な内政干渉をしているのは、中国(中国共産党)だけなのです。韓国は中国に唆(そそのか)されて、追従しているにすぎません。

 そこで、靖国神社参拝に関する簡単な経緯を振り返ってみます。まず、確認しておかなければならない事実があります。それは、1980年から1985年まではほぼ毎年、終戦記念日には首相が靖国神社に参拝していたということです。その他にも春季・秋季例大祭における参拝など、戦後に限定すれば、1985年までに12人の首相により計60回の参拝が行われているのです。しかし、この間、一度たりとも中国や韓国が騒ぎ立てることはありませんでした。

2024年10月13日日曜日

第16回:靖国神社を救った真のキリスト精神

 大東亜戦争終結後、日本を占領統治したGHQ(連合国最高司令官総司令部)により、靖国神社が焼却され、その跡地に娯楽施設を建設するという計画があったことをご存知でしょうか。靖国神社を中心に音楽堂、美術館、博物館、映画館などを建設して、上野公園のような形式の娯楽街にするという構想があったのです。

 ところが、そのような計画を知った駐日ローマ法王代表・バチカン公使代理を務めていたブルーノ・ビッテル神父はすぐさま、総司令官マッカーサー元帥に次のような意見書を送ったのです。因みに、ビッテル神父はマッカーサー元帥やGHQを補佐していた人物でした。

2024年10月9日水曜日

第15回:靖国神社に合祀されたABC級戦犯の慰霊ミサ

 大東亜戦争終結後に、連合国により「戦犯」として裁かれ、いわゆるABC級戦犯として処刑された帝国軍人の慰霊ミサが、カトリック教会の総本山であるバチカンで執り行われていたことをご存知でしょうか。実は、1980年5月21日、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世により靖国神社に祀られているABC級戦犯の方々の鎮魂と慰霊のための荘厳なミサが、サン・ピエトロ寺院で行われていたのです。

 そこで、まず初めに靖国神社の由緒と創建の理念について紹介させていただきたいと思います。以下の内容は、靖国神社の「参拝のしおり」に記されているものです。

2024年10月6日日曜日

第14回:「愛国主義」と「媚中主義」

  日本では自民党総裁選挙において石破茂新総裁が選出され、10月1日の国会で第102代首相の指名を受け、石破内閣が正式に発足しました。新総裁選出と新首相指名の背景にはどのようなものがあったのでしょうか。それは、一言で言えば、「愛国主義」と「媚中(びちゅう)主義」の戦いでした。ただ、ここでいう「愛国主義」は厳密な意味での愛国ではありません。しかし、確実に言えることは、今回の総裁選挙の最大の争点は「靖国神社参拝」に関わることだったということです。

 トランプ前大統領は、「Make America Great Again(米国を再び偉大にする)」というスローガンを掲げて、大統領選挙を戦っていますが、それは建国精神に立ち返るための戦いであり、神と自由を取り戻すための戦いでもあります。そして、米国が建国精神に立ち返り、失われつつある神と自由を取り戻すことにより、米国が再び偉大な国になることができることをトランプ前大統領は誰よりも確信しているのです。

2024年10月4日金曜日

第13回:「Make America Great Again」の真意(3)

 米国の建国精神とは何なのでしょうか。それは、米国が神への信仰によって、つまり、神を礼拝する自由を希求する聖徒たちの信仰によって建国されたということです。神を求める清教徒たちの信仰なくして、米国の建国の歴史を語ることはできないのです。

 合衆国憲法修正第一条は次のように定めています。

 連邦議会は、国教を樹立し、若しくは信教上の自由な行為を禁止する法律を制定してはならない。また、言論若しくは出版の自由、または人民が平穏に集会し、また苦痛の救済を求めるため政府に請願する権利を侵す法律を制定してはならない。

2024年10月3日木曜日

第12回:「Make America Great Again」の真意(2)

 「米国を再び偉大にする」というスローガンの真意についてですが、ここで語られている「偉大さ」とはどのようなものなのでしょうか。それは、米国の建国精神と深く関係しており、さらには米国の建国精神を支えているのは「神と自由」であることを私たちは理解しなければなりません。

 そこで、まずは米国の建国精神についてお話しようと思います。米国は神の摂理によって建国された国であるということがすべての基となっています。では、神の摂理とは何でしょうか。それは最終的には全世界を救済することであり、永遠の世界平和をこの地上に実現することでした。つまり、この地上に神の国を建設することが、神の摂理の中心であり、神の理想そのものであったのです。

2024年10月1日火曜日

第11回:「Make America Great Again」の真意(1)

 「米国を再び偉大にする(Make America Great Again)」とは、どういう意味なのでしょうか。おそらくは、ほとんどの日本人はこのスローガンの真意を知らないのではないでしょうか。それは、「偉大にする」という言葉の真意を理解できていないからです。トランプ前大統領が米国を偉大にするという、その「偉大さ」とはどういうことなのか、まずはその意味を知らなくてはならないのです。

 米国を再び偉大にするということは、米国がかつて偉大な国であったことが前提になっています。かつては偉大であった米国が、今やその偉大さを失い、偉大な国ではなくなってしまったのであり、だからこそ、トランプ前大統領は、かつてのような偉大な米国に再び立ち戻ることをひたすら願っているのです。偉大でなくなった米国の惨状に胸を痛め、あたかも地獄の中にいるかのように苦しみ喘(あえ)いでいる愛する祖国を何としてでも救わなければならないと思っているのです。